飲み比べのすすめ — 二種を並べて味の違いをつかむ
条件をそろえて二種を並べる公平な飲み比べの組み立て方を通じて、香りや味の違いをつかむ方法を紹介します。
要点
- 飲み比べは、茶葉量・湯量・湯温・抽出時間をそろえたうえで、比べたい変数を一つだけ変えることが公平な比較の条件です。
- 変数を複数同時に変えると、どの要素が違いを生んだのか判断できなくなります。
- 蓋碗での基本の淹れ方で条件をそろえる練習をしてから取り組むと、比較の精度が上がります。
一種類の茶だけを飲んでいると、その味が「普通」に感じられてしまい、特徴に気づきにくくなります。二種類を条件をそろえて並べて飲むと、香りや渋みの違いが際立ち、言葉にしやすくなります。ここでは家庭でできる、公平な飲み比べの組み立て方を紹介します。
なぜ飲み比べが有効か
単独で飲んだ茶の印象は記憶に頼るしかなく、前回との違いを正確に思い出すのは簡単ではありません。二つの茶杯を並べて交互に含むと、渋みの強さや香りの系統といった相対的な違いがはっきりします。テイスティングの基本で扱った「見る・嗅ぐ・含む・余韻を追う」の手順を、二種類同時に行うイメージです。
公平な比較の条件をそろえる
比較を成立させるには、次の条件を両方の茶で同じにそろえます。
- 茶葉量(同じ器なら同じグラム数が目安)
- 湯量(同じ容量の器を使う)
- 湯温(同じ温度の湯を同時に用意する)
- 抽出時間(同じ秒数で注ぎ切る)
これらをそろえたうえで、比べたい変数だけを一つ変えます。たとえば同じ茶葉で抽出時間だけを変える、同じ茶の等級違いを比べる、同じ産地の異なる茶園のものを並べる、といった組み立てです。変数を一つに絞ることで、感じた違いの原因を特定しやすくなります。
記録と確認
二つの茶杯に番号をふり、どちらがどの条件かは後で確認できるようにメモしておきます。香り・渋み・甘みの残り方について短い言葉で記録し、数分おいて温度が下がったところでもう一度確認すると、変化の傾向がつかめます。もっとも、変数を一つに絞っても、直前に口にしたものや体調によって感じ方は変わるため、一度の比較結果を断定的に受け取らず、日を変えて繰り返すことをおすすめします。
次に読む
飲み比べの基本の手順を先に一煎ずつ丁寧に確認したい場合はテイスティングの基本 — 香り・味・余韻を捉えるを、条件をそろえて淹れる技術を固めたい場合は蓋碗で淹れる — 基本の手順と使い方を参照してください。
参考文献
- ISO 3103:1980, "Tea — Preparation of liquor for use in sensory tests"(比較用の茶湯の標準的な淹れ方に関する国際規格)
- 中国国家標準 GB/T 23776「茶叶感官审评方法」(茶の官能評価方法に関する中国の国家標準)
- Encyclopaedia Britannica, "Tea"(茶の評価と分類に関する概説)
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